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現地レポート

初めての全国で見えた風景 RSS

2016年3月28日 22時34分

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「東日本大震災復興支援 JX-ENEOS 第29回 都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2016(以下、ジュニアオールスター2016)」の初日が終わり、決勝トーナメントに進出する男女16チームが確定した。2連勝で早々に決勝トーナメント進出を決めたチームがあれば、その逆に2連敗でそれを断たれたチーム、また最後の試合までそれが決まらなかったチームと、初日から緊張感のあるゲームが続いた。

男女各48チーム中敗れた32チームの選手たちは、月並みだが、ジュニアオールスター2016の経験を生かして、今度は所属の中学校で力を発揮してほしい。夏の全国中学校バスケットボール大会まで時間はあるようで、それほどない。2年生は春から最上級生として、その自覚でチームを引っ張り、1年生は先輩たちを助けながら、また4月以降入部してくる後輩たちの手本として、さらなる成長に期待がかかる。

序盤の劣勢を跳ね返し、広島県との接戦を制した三重県

序盤の劣勢を跳ね返し、広島県との接戦を制した三重県

三重県代表の男子は、初戦の広島県戦を1点差で振り切ったが、女子のゲームを挟んですぐに行われた2試合目の福岡県戦では6点差で敗れた。結果的にはその福岡県が広島県にも勝利し、三重県の男子は決勝トーナメント進出に至らなかった。

 
三重県の#15喜多 陸登選手はチームに3名いる1年生のうちの1名。だが加藤 雄コーチをして「彼はシックスマンですが、ディフェンスを頑張れるし、冷静さはチームで一番」と言わしめるほど、信頼を置かれているポイントガードだ。加藤コーチの評価どおり、全国大会の緊張から慌てる先輩たちのなかで、彼は冷静に状況を見極め、確実なアシストや、地に足の着いたディフェンスを発揮していた。ときに先輩たちを鼓舞する姿も印象的だった。

冷静な判断でチームを落ち着かせた三重県#15喜多 陸登選手

冷静な判断でチームを落ち着かせた三重県#15喜多 陸登選手

とはいえ、ジュニアオールスター2016は喜多選手にとっても初めての全国大会。小学生のときにも経験をしていない。「少し緊張しましたけど、やらなければいけないと思ったし、やるぞという気持ちで臨みました。自分の力だけでここまで来られたわけではないし、これまで教わってきた方々のバスケットを出していったら、いくつか通用するところもあったという感じです」と、少しはにかみながらも、堂々とした受け答えをしてくれた。

「自分は決して能力のある選手ではないので、ディフェンスを頑張ったり、リバウンドやルーズボールで流れを引き寄せることを一番に考えていました。できたところもありますが、2試合を終えてみて、もっとできたという反省のほうが多いです」

自他とも認める、シュートにまで持ち込むアグレッシブな攻撃姿勢のなさが喜多選手の課題だそうだが、まだ1年生である。学生スポーツにおける「1学年の差」は決してて小さくないが、そこにある「力の差」は、裏を返せば下級生たちの「伸びしろ」だ。加藤コーチも来年を見越して喜多選手ら3名の1年生をジュニアオールスター2016のチームに入れたと認める。この経験はきっと来年以降につながるはずだ。

アスリートである以上、彼らもまた勝利を目標に練習に取り組んできたはずだ。だが、たとえ大会の初日で姿を消したとしても、そこで感じたことを今後に生かせれば、今日の結果はただの敗北ではない。ただしそれは自分次第でもある。1年生プレイヤーが初めての全国大会で見た風景に、今後どのような色付けをするのか――彼らの成長に期待したい。

三重県は福岡県の高い個人技にあと一歩届かず

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