JBA

JBA

現地レポート

メインコートは知っている RSS

2016年3月30日 14時35分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「東日本大震災復興支援 JX-ENEOS 第29回 都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2016(以下、ジュニアオールスター2016)」のメインコートに立てるのは男女各2チームだけ。2日目の試合が終わったあとに作られたそれは、最終日に残ったチームにとっては目の前にあるのに、簡単に手が届かない。
大会3日目、男女の準決勝が終わり、ファイナリストが決まった。女子は長崎県と埼玉県、男子は福岡県と新潟県だ。同時にメインコートにあと一歩及ばなかったチームも、決まった。

持ち味のスピードを発揮した東京都A#8田中 ナターシャ絵里選手

持ち味のスピードを発揮した東京都A#8田中 ナターシャ絵里選手

敗れた女子の東京都Aの#8田中ナターシャ絵里選手は「決勝トーナメントを勝ち上がるにつれて緊張感も高まったし、試合が増えることで疲労も溜まって、もうすぐ足も限界というところまで来ていました。でも第4ピリオドにチームメイトと『笑顔で戦おう』と話して、最後まで全力で走りきることができました」とゲームを振り返る。

3日目の疲労はフィニッシュに表れた。それでもチームプレイを基本とする所属チームとは異なり、選手の個性を生かすプレイを根幹とする東京都Aで、彼女は最後まで自分の持ち味であるスピードを生かし続けていた。

苦しいときにチームにスイッチを入れられる愛知県#12木村 楓選手(右)

苦しいときにチームにスイッチを入れられる愛知県#12木村 楓選手(右)

男子の愛知県は新潟県に逆転負けを喫し、目の前まで見えていたメインコートを逃してしまった。ポイントガードとしてチームを引っ張った#12木村 楓選手は、大会を通した自分の出来を「これまで練習してきた以上の力を出すことができました。それは愛知県チームのコーチだけでなく、親や所属するクラブチームのコーチたちが応援をしてくれる声が聞こえたからだと思います。でも最後に負けてしまったのは、まだまだ足りないところがある証拠です」と振り返る。

大会3日目の、体力も気力もギリギリのところにあって、木村選手は最後まで足を動かし続けた。「みんなの雰囲気が悪いときに得点を取ってチームを盛り上げる」ことのできる司令塔は、#5横地 聖真選手というスーパースターをうまくコントロールしながら愛知県を準決勝にまで導いた。

多少の違いはあれ、同じような時間をかけてチームを作り上げてきた。同じように実践を重ねながら力をつけ、最終日に残った。しかし敗れた者は大会ロゴの入ったコートに、そのシューズのこすれる音を立てることができない。

しかし、だからこそメインコートは目指すべき価値がある。誰もが簡単に立てたら、おもしろくないではないか。あと一歩、二歩、三歩……今は届かなくても構わない。メンバー選考会から歯を食いしばり、汗を流し、人知れずに涙を流してきた彼ら、彼女らの日々を、東京体育館のメインコートは知っている。

メインコートは敗者の頑張りや思いも引き受ける

メインコートは敗者の頑張りや思いも引き受ける

[ 記事URL ]